ばね教室

ステンレスとは

オーステナイト系ステンレスについて

ステンレス鋼の中でも、最も一般的なものがオーステナイト系です。

ばねでよく使用されるのはSUS304とSUS316となります。

SUS304

ステンレス鋼の代表格。世界で最も生産数量が多く、

粗鋼生産量の約40%がSUS304と言われている。

高価なニッケルの使用量を抑えた、汎用鋼。

Cr18%、Ni8%含まれていることから、18‐8ステンレスとも言われる。

一般的には非磁性だが、冷間加工によりマルテンサイトが発生するため

弱磁性となる。

SUS316

US304と比較するとニッケルの量が多く、

モリブデンを添加しているため耐食性が良い。

マルテンサイトの発生量が少ないため磁性が少ない。

弾性係数がSUS304と比較して小さいため、設計時には注意が必要となる。

鋼種 C Mn S Ni Cr Mo
SUS304 0.07 1.2 0.004 8.5 18.2 -
SUS316 0.04 1.0 0.002 12.2 17.5 2.5

もともとはクロム系ステンレス鋼(マルテンサイト系・フェライト系)が

還元性酸(硫酸・塩酸)に弱い点を改良するために、ニッケルを添加したものです。

そのためクロム系よりも耐食性がよく、高温から焼き入れしても硬化しません。